ゆばふじでは、滋賀県産大豆「ことゆたか」を使用しています。
滋賀でゆばを生産していくにあたり、やはり地産地消、地元滋賀県のだいずを使用していこうと、当時まだ新種だった「ことゆたか」を選びました。
豆腐加工適正が良好な「ことゆたか」をゆばで使用するにあたり、水量、豆漬け、豆乳濃度など試行錯誤して出来上がったゆばは豆腐加工には負けないくらい良質なゆばを作ることに成功いたしました。
下記は「ゆばふじ」使用大豆ことゆたかについての参考資料です。 農研機構様から抜粋させていただきました。
1.新品種名
ことゆたか(だいず農林132号)
~ 豆腐加工適性が良好で、倒伏に強い温暖地向きだいず新品種 ~
2.育成のねらい
国産大豆は豆腐原料用としての利用が多いことから豆腐加工適性が重視されています。また、九州地域では大豆収穫後の麦作の作業が容易に行えるように成熟期の早い大豆新品種開発の要望があり、このような早生品種を開発できれば近畿・中国地域でもその品種を活用できることが期待できます。更に、最近ではコンバインなどの機械導入も多く、作業性から倒伏抵抗性も重要な特性になってきています。 そこで、早生で豆腐加工適性が高く、機械化栽培にも適するような倒伏に強い大豆新品種の開発を目標に育成を進めてきました。
3.来歴の概要
早生・白目・高蛋白含量の「エンレイ」を母に、中生・淡褐目・耐倒伏性の強い育成系統「九州96号(「アキセンゴク」と「久万大豆」の組み合わせから選抜した系統)」を父として1988年に人工交配しました。1989年に圃場でF1を養成し、1992年のF4世代で個体選抜を実施し、1993年のF5世代以降は系統育種法により選抜、固定を進めてきました。 1996年(F8世代)に「九系228」の系統名で、農業特性を調査する生産力検定試験、系統適応性試験に供試し、1999年(F11世代)に「九州136号」の地方系統名で、公立農業試験研究機関などで試験栽培が行われてきました。2005年はF17世代になります。
4.命名の由来
稔り豊かな秋に収穫される大豆で、琴の調べのようななめらかな豆腐ができるきれいな大豆であることを意味しています。
5.新品種の特徴
・豆腐加工適性が良好で、「タマホマレ」より優れています。
・「タマホマレ」より倒伏に強く、青立ちしにくい品種です。
・一部の地域で「サチユタカ」の褐斑粒発生の原因となっているSMV(ダイズモザイクウイルス病)のA2系統に抵抗性があります。
・倒伏に強いので浅耕うね立て栽培や不耕起密植栽培などの新しい栽培技術を活用しやすい品種です。
・裂莢しやすい傾向がありますので、適期収穫を行う必要があります。
6.今後の展開
本年4月に「ことゆたか」は、育成系統名「九州136号」で滋賀県農作物指定品種に採用されています。命名登録後は、「ことゆたか」として滋賀県の奨励品種に採用される見込みです。滋賀県では「ことゆたか」の種子増殖などに取り組んでおり、最終的な普及見込み面積は1,000haと想定しています。本品種は、青立ちしにくいこと、および、「サチユタカ」の褐斑粒発生の原因であるSMVのA2系統に抵抗性であることから、「サチユタカ」で青立ち、あるいは、褐斑粒の発生している地域で活用することも期待できます。 九州地域においては、裂莢性に難点があること、および、“売れる大豆”である「フクユタカ」が作付けされていることなどから、すぐに普及する見込みはありません。現在のところ、早生新品種ということで試験栽培が継続実施されています。 なお、現在、品種登録出願中です。